タイ・バンコク旅行1: LCCで成田(NRT)〜ドンムアン(DMK)をどう移動するか
はじめに
東京〜バンコク往復するためのtipsをまとめたので、初めてタイ(バンコク)に行く人に向けて共有したい。 2019年1月現在の情報であることを留意されたい。
いかに安く快適に東京〜バンコク往復するか
まずは、航空券を予約することが必要である。ここでは、多少の手間をいとわず格安航空を使ってできるだけ安く抑えることを考えることとする。もちろん、マイルが貯まっている場合は何も考えずフルサービスキャリアで発券すればよい。
様々な航空機予約サイトを比較したが、Google フライトがシンプルである。なぜならば、便ごとの価格が一目瞭然だからだ。そのため、ユーザーが自由に行き帰りの便を組み合わせることができる。更に、航空会社の予約ページへのリンクが提供されるので、予約サイトの手数料を取られずに済む。また日程によっては、往復で異なるLCCを提案してくれるのだ。もちろん、このような買い方をすると、自分でそれぞれの航空会社のサイトで予約する必要がある。ただし、航空券とホテルを同時に予約することで安くなるケースもあるので、現地のホテルも同時に取りたい場合は、やはり予約サイトのほうが良い場合もある。
まずは空港の紹介である。東京も成田・羽田と2つのターミナルがあるように、バンコクにも2つの空港がある。
- ドンムアン(DMK): 昔からある空港。LCCが利用する。中心部に来るにはタクシー/grabを使うか、バスを利用する必要がある*1。
- スワンナプーム(BKK): 新しくできた空港。フルサービスキャリアが利用する。ARL(エアポートリンク)とよばれる高架鉄道が乗り入れている。
基本的に直行便は、羽田/成田〜スワンナプーム(フルサービス)、成田〜ドンムアン(LCC)という組み合わせになっている。航空券代を節約する場合は、成田〜ドンムアン一択となる。またバンコクについては、乗り継ぎ便のほうが安くなるということはないといって良いだろう*2。基本的には、LCCを使うと、朝発〜午後着か、午後発〜夜着か、夜発〜深夜着の3パターンであり*3、偏西風の影響を考えると行きが7時間程度、帰りが6時間弱となる。時期にもよるが最安で往復2万円台〜となり*4、フルサービスキャリアの約半額で往復することができる。現在エアアジアX、スクート、ノックスクート、タイ・ライオンエアの4社が運航しており、競争によって安くなっているので旅行者にとってありがたい限りだ。
私が搭乗したことのあるのは、以下の便である*5。時差は2時間である。
どの便も、成田は第2ターミナルからの出発であった*6。今後追加されるライオンエアは第1ターミナルなので要注意。機内に飲食物の持ち込みはNGだが、制限エリアで買った水ぐらいは暗黙で了解してくれるようだ*7。共通して機内はだいたい寒いので、上着を持ち込むことをおすすめする。今までのあいだは特段、うるさい乗客がいて困ったということはなかった。
スクートの往復はどちらもシンガポールに行く際の乗り継ぎで利用した。日本タイ間とタイシンガポール間は同じ機体だが、transitのためにドンムアン空港で一度降りなければならない。降りたら係員の誘導に従えばよい。あまり時間がないが、一応ショップに立ち寄ることができる。しかし、基本的にタイバーツで決済する必要があるので、タイバーツがなければクレジットカードを利用する必要がある。途中のマックで飲料水を買おうとすると、クレジットカードによる決済は100THB以上と言われた。ところが、水は1本40THBだったので、3本以上買わないといけない。また、普通に搭乗口近くにあるマンゴースムージー屋がオススメである。筆者は毎回ドンムアン空港に立ち寄る度に、そこでマンゴースムージーを飲んでいる(150THB)。
スクートについて
スクートとノックスクートの違いとして、ノックスクートはタイのLCCであるノック・エアとシンガポールのLCCであるスクートの共同出資の、タイのLCCである。しかしどちらも、スクートの公式サイトから予約することができる。決済はクレジットカードで問題無いが、公式からはJCBでの決済はできない。もしJCBで決済しようと思ったら、PayPalを経由する必要がある。また、タイ発の片道で買おうとするとタイバーツでの支払いになるらしいが、発券する通貨を変えることもできる。 スクートの会員サービスであるスクートインサイダーに加入すると、半年割引のウェルカムバウチャーが配られる。しかし、このバウチャーを利用できない便*8もあるので、使えずに流してしまうこともあるかも。またシンガポール航空の会員サービスであるKrisFrierでマイルをためることもできるのだが、ノックスクートの便は事後登録できなかった*9。
スクートのB787-8 ドリームライナーは新しい機体であり、エコノミーは3-3-3であったが揺れも少なく、非常に快適に搭乗することができた。快適すぎて、帰路の深夜便は離陸から着陸までずっと寝ていた。おかげで、入国のカードをもらい損ねて空港で走り書きする羽目になった。行きは昼行便で文庫本を3冊読むことができるほど暇だったが、有料でWi-FiやWi-Fi経由でエンターテイメントを楽しむこともできる。窓が電子カーテンだったり、機内照明が虹色になったりと、色々なところで驚きを提供してくれるのが、個人的には面白かった。スクートについては搭乗が3ヶ月前ということもあり、詳細に覚えているわけではないが、土曜朝発〜水曜朝着で、どちらも自由に移れる空席があったという印象はないので、充足率は高いといえよう。日本語での案内もあったので、日本人CAも搭乗していたはずである。なお、スクートは成田空港ではwebチェックインできない。
エアアジアXについて
予約時はエアアジアXのBIGメンバーになることで多少安くなるようだ。クレジットカード決済よりもコンビニ決済のほうが若干(200円ほど?)安いので、こだわりがなければコンビニ決済でも十分だろう。
webチェックインをしても、成田のカウンターに行かなければならないのは変わりないが、待機列はwebチェックインのほうが断然に短いので、webチェックインすることを強く推奨する。荷物の計量は厳しい。何も考えずに2kgのノートパソコン+3日分の着替えをリュックサックに詰めて行ったが、6.2kgと言われて少し焦った。免税店でお土産をかう分には重量に加算されないので、もしタイに持って行くお土産を免税店でなく、前もって購入していたらオーバーしていたかもしれない。チェックインカウンターはNである。Nがどこかと面食らうかもしれないが、電車で来る場合は空港第2ビル駅を出て右に進んだ入口側、と認識しておけばよいだろう。
搭乗は平日午後便だったが、横一列で寝られるぐらいの空席があったので、3-4-3のエコノミーであったが快適に行くことができた。道中は基本的に照明が切られているので、本を読みたければ読書灯を利用することになる。機体は可も無く不可もなく。ただし、Wi-Fiやモニタなどはないので極めて暇である。日本語のアナウンスもあったので、日本人CAも同乗していた様子。
ノックスクートについて
さて、帰国である。ドンムアン空港は深夜であっても、東アジア、東南アジアの各国に向けて、航空機が飛び立っているのがわかる。
後述するが、アップグレードを利用してスクートビズである。基本的にオンラインチェックインができないので、カウンターに行かなければならないのだが、ドンムアン空港は深夜にもかかわらずLCCの乗客でエアアジア、スクートのカウンターは長蛇の列であった。そこで、スクートビズの特典で非常に高速に発券してもらうことができた。しかし、スクートビズ用の通路があるわけではないので、積極的に割り込んでいって係員にアピールする必要がある。そう考えると、アップグレードの証拠は印刷しておいたほうが捗る。
よくある質問。夜のドンムアン空港は時間をつぶせるのか?答えからいうとNOだ。実際暇であるが、少なくともWifiは飛んでいるのでノートパソコンがあれば作業はできる。また、一応マックなどはあるので食べていても良いし、お土産や屋も空いている。特に、深夜便のLCCがそれなりに飛んでいるので、空港内は人も多い。だがそれよりは、タイの中心部で遅くまで時間を潰してタクシーで来た方が良いだろう。とはいえ、2:45の便であればそれほど待ちすぎて困るということはない*10。スクートでもそうだったし、他の航空会社もそうだと思うが、普通、搭乗手続きの際に、航空機の半券は大きい断片が渡されるはずだ。しかし、ノックスクートでは、小さいほうの断片を渡される。一瞬驚いてしまったが、他の乗客もそうらしいので、良いことにした。
機内では、小刻みな横揺れが離着陸時、あるいは上空でも続き、しばしば起こされた。機体が古いせいか、それとも当日乱流だったせいだろうか。いずれにせよ、日系エアラインのように揺れについて特にアナウンスがあるというわけではない。
土曜朝着の便だったが、エコノミーはそれなりに埋まっていたものの、サイレントエコノミーは普通に空席が目立ち、スクートビズも75%ぐらいの充足率だった。B777-200ではほとんどスクートビズにする利点がない。そもそも機内のwifiなどがないので、チェックインで待たなくてよいことと、余り物の機内食が出ることぐらいだ。ただしドンムアン発の復路便はアップグレードできると、手荷物制限が15kgまで緩和される上に、すぐに機外に出られるので、成田入国もスムーズである。スクートビズでは肘掛けを上げられないことから、サイレントエコノミーにアップグレードして横になって寝たほうが、機内食で起こされずに済む分、気楽かもしれない。ちなみに機内食は日本時間8時に届いた。機内食は暖かいのでありがたいが、フルサービスキャリアのサービスに比べると、ほとんど軽食レベルである。また、搭乗した機体は日本語での案内がなかった。
比較
機体の良さ/新しさ: スクート(B787-8) > エアアジアX(A330-300) > ノックスクート(B777-200)
無料機内手荷物: スクート/ノックスクート(10kg) > エアアジアX (7kg)
便数(成田発): エアアジアX(朝、午後、夜) > ノックスクート(昼)> スクート(朝)
webチェックイン: エアアジアX(可能) > スクート/ノックスクート(不可)
機体は新しければ新しいほど快適であることは言えるだろう。エアアジアもノックスクートも、基本的にレガシーキャリアのお下がりの機体だが、スクートは新機種を導入している。おそらくプレミアムエコノミーの快適さもこの順だろう。ただし手荷物については、スクート系列のほうがデフォルトでは少し多く持って行くことができる。往復同じ航空会社のほうが予約は間違いなく楽だが、行きは時間によってはエアアジアXで、帰りはぎりぎりまで遊んで、夜のスクートorノックスクートで帰るという選択肢もある。
色々と書いたが、特に気にせず時間の都合の合う、最安値の便を選択すればよい。ただし最安でプレミアムエコノミーに乗りたい場合は、後述の方法で、ノックスクートのアップグレードを狙うのが良いだろう。 面白いのは、エアアジアとノックスクートがほとんど同じ時間帯に出発して、同じ時間帯に到着することである。それだけ需要があるということだろうか。
アップグレードについて
スクートでは搭乗数日前に、アップグレードの入札に参加できる旨のメールが届く。BID4BIZとよばれるこのサービスでは、最低入札額10,000円ぐらいから、スクートビズへのアップグレードの入札をすることができる。オークション方式で、競り落とすことができればアップグレードできるという仕組みだ。
ノックスクートでは、搭乗数日前にアップグレードのオファーメールが届く。このクソ怪しいメールの75% OFFをクリックすると、OptionTownのページに遷移する*11。ここで、2つの選択肢がある。Standby UpgradeとConfirmed Upgradeだ。Confirmed Upgradeのほうが若干値段が高いが、これを選ぶとすぐにスクートビズにアップグレードされるようだ。一方で、Standby Upgradeはアップグレードできるかどうかは最悪で4時間前まで分からず、アップグレードされなかったら払い戻しとなるプランだ。
通貨を変えたい場合は、一度 トップ画面https://www.optiontown.com/ に戻って、右上の国変更画面でJapanを選ぶとよい。2,719円でStandbyオプションが購入できるほか、確か3,500円でアップグレードを即実行できる。これは、普通にスクートビズを公式ページで買うより確かに格安だ。日にもよるが、1万〜1万5千円ほど、スクートビズとエコノミーの値段は異なる。今回は、この僅かな値段を節約してStandby Upgradeを選んだ。
そして、勝利した。なお、これが通知されたのは出発の12時間前である。座席指定はできないので、カウンターで発券されるのを待つしか、座席の位置はわからない。アップデートの通知メールは一応印刷しろと書いてあるので、印刷したが、さてこれはいったいバンコクのどこで印刷できるか、については後述する。
なお、このメールをよく読んでみると、2席〜3席独占できるオプションが格安で手に入るほか、Flight Passとよばれるものを購入できるようだ。これは、前もって1ヶ月〜12ヶ月有効のフライトパスを2往復分以上購入すると、そのフライトパスで旅行の数日前までに、ノックスクートの便が予約できる。制限が多い代わりに、格安で航空券を購入できるらしい。オプションが2つあり、いつでもOKの券と、航空会社が決めた日は予約できない券があるが、今みるとゴールデンウィークの前半が含まれていないので、これを使えば普通に買うより今普通に予約するよりも格段に安く、バンコク往復ができそうな雰囲気である。ただ、筆者は保証しない。一応、全往復をエコノミーではなく、スクートビズにするオプションもあるが、ノックスクートにしか乗れないのでかなり辛いこと請け合いだ。ただ、例えば月一で日本に私費で帰らなければならない場合などに便利そうだ、というのが筆者の感覚である。使ってみた人はいるのだろうか?
OptionTownは便利そうで、他の航空会社でも利用できそうな感じだが、中東とヨーロッパの航空会社ばかりで、東アジアの路線が利用できるのはノックスクートしか見つからなかった*12。
エアアジアXは、かつてはOptionTown経由で割引アップデートができるという情報がネットでは見られるが、現在は対応していない。そこで、機内食や手荷物を頼みたいならば、購入時に頼んでしまっても、予定外のアップグレードで損をすることはないだろう。
*1:一応国鉄の路線も近くを走っているが、あまり利用しづらい
*2:シンガポールの場合は、スクートのドンムアン経由/台北経由が安い
*3:深夜発〜早朝着はない
*4:さすがに直線距離では無理だが
*5:時間・機材は当時のもの
*6:LCCは第3ターミナル送りになることも多いが、上記の3社はどれも第2ターミナルである
*7:実際に7時間のフライトなので、水分がないとかなり苦しい
*8:今回、ノックスクートは利用できなかった
*9:シンガポール航空のサイトでオンラインで申請することができるのだが、XWではじまる便を登録することができなかった
*11:日本語での説明サイトがほとんどない。
*12:ロイヤル・ヨルダン航空のヨルダンー香港便は一応あったが、ロイヤル・ヨルダン航空は日本に乗り入れしていない